SI005 株の売買の基準① - 実体経済と株価の関係

今週の投資実績と反省

・今週の実績は以下のとおりです。
(個人情報ですので、実際の数字ではなく、100万円投資をしたときの割合で示しています。)

持ち株数     株価  持ち株数 残高    総計
はじめ(2018年) 1183円 822株 27,524円  1,000,000円
株価最低値(9月) 995円 851株  53,473円  900,467円
2019年はじめ   1398円 244株 882,080円  1,222,843円
1月18日        1297円 585株  414,400円  1,173,958円

はじめからのリターン       約17.3%
今年初めからのリターン      約-4.0%

・日経平均株価が20,666円になりました。
(アナリストの伊藤秀廣氏によると暴落の前によく666の数字が出るそうです。)
・日経平均の先物は、21,000円近くに上昇しています。
・日経平均は25日移動平均線を越えました。
・想定内の動きですが、私のメインシナリオは崩れました。
(メインシナリオの日経平均の高値は25日移動平均線でした。)
・第2シナリオに移行です。
(第2シナリオの高値は、移動平均の50日線~200日線です。)
・持ち株数は、約2.4倍になっています。
(だいたい想定どおりです)

現状の分析

ブレグジット
・1月15日にはブレグジットに関する英議会の採決がありました。
・大差で否決されましたが、株価は逆に上昇しました。
(ブレグジットの離脱案に関して、異なる政党が異なる理由で反対をしています。つまり、離脱派も、離脱反対派も、「離脱案」に対して「反対」で一致しているのです。)
・メイ首相の不信任決議も否決されました。
(「離脱案」にも反対だけれでも、「合意なき離脱」にも反対ということです。)

・つまり、何もかも反対だけれども、建設的意見は一切なしという恐ろしい状態です。

・これに対して、市場は、離脱が遅れることを歓迎して株価が上昇しているのです。

・つまり、結論だけ言うと
「何も進まないと株価が上がる」という状態なのです。

・なぜかというと、株を買っている人間があまりいないので、売っている(空売りをしている)人間が買い戻しているからです。

企業業績、経済指標

・日本電産の永守会長が、「中国需要の急減で過去にない業績の落ち込みがある」と発表しました。
・中国の状況は非常に悪いと思います。

米政府の閉鎖

・日米通商交渉が遅れれば、日本の株価にとっては上昇要因です。
・こちらも「仕事が進まない方が株価があがる」という状況になっています。

米中貿易戦争

・株価上昇の理由は、(表向きは)「米中貿易戦争の不安が緩和した」ということですが、それはないと思います。
・明日のサイトでお話をするつもりですが、中台軍事衝突の可能性が高まってきました。

シミュレーションをしている方へ

・日経平均が上がると思われる方は、1579のレバレッジダブルを買ってもよいと思います。
(日経平均は短期的には上がって、どこかでドスンと下がると思います。)
・長期投資の練習をしたい方は、インバースの買い増しをしてみてもよいですし、様子見でもよいと思います。

 

 

 😐 株価と景気の関係

・今回は株価が何によって決まるのかというお話をします。

株価は景気に先行する

・(株のことをよく知らない人の)一般的な感じでは、景気がよくなると株価が上がり、景気が悪くなると株価が下がると考えられていると思います。

・しかし、市場関係者は「株価は景気に先行する」と考えています。
・つまり、「今、景気が悪くても将来景気が回復しそうなら株価は高くなる」ということです。
・逆に、「今、景気がよくても将来景気が悪くなりそうなら株価は安くなるということです。

今起きていること

・昨年の年末のアメリカの経済指標は好景気を示していましたが、暴落をはじめました。

・年末の株価の暴落の原因の一つは、長期金利と短期金利の差がなくなってきたからです。
・「長短の金利差が逆転すると1年か1年半後に景気が後退する」と言われているので、1年後の景気後退を見込んで株価が暴落したのです。

 😐 経済のサイクル - 実体経済の株価の関係

金融緩和 ⇒ 好景気 ⇒ 金融引き締め ⇒ 不況

・現実には、経済のサイクルは投資から始まります。
(この世的に言えば借金から始まります。)
・誰かが、投資をして、ものをつくって、それを売って経済は回り始めます。

・経済のサイクルは以下のように回っています。

不況 ⇒ 金融緩和(政府の借金) ⇒ 資源、輸送などの先行業種の活動増加 ⇒ 先行業種の株価の上昇) ⇒ 企業全体の活動の上昇 ⇒ 企業全体の株価の上昇 ⇒ 金融引き締め ⇒ 先行業種の活動の低下 ⇒ 先行業種の株価の下落 ⇒ 企業全体の活動の低下(不況)

(かんたんにすると、「金融緩和⇒好景気⇒金融引き締め⇒不況」です。)

昨年、起きたこと

・今回の株価の暴落の例で説明します。

・金融緩和で市場にお金があふれています。
(繰り返しますが、借金でお金があふれている状態です。)
・FRBは金利を上げ始めました。
(「借金を少なくしようとした」ということです。)

・先行指標と言われる資源の商品市況の高値は2018年の5月20日でした。
(不景気は、生産に必要な資源価格が落ちるところから始まります。)
NYダウの輸送株がピークをつけたのは9月12日です。
(資源が不要になると、それを運ぶ輸送関係の業績が落ち込み始めます。)
NYダウが10月3日です。
(その結果、全体の業績が落ち込みます。)
長期金利のピークは10月9日です。

 😐 株価に影響を与える要因

・それでは、実際に株価を予想する場合、何を見ていくのがよいでしょうか。

・重要な方から言いますと、金融政策(金利)、企業業績、政治的要因ということになります。
・上の三つで株価のトレンドが決まり、実際に、いつ上げたり下げたりするか、どの程度上がったり下がったりするかは、ヘッジファンドの需給要因*で決まります。
*需給要因 - 短期的な株価を決めるのは、需給なのですが、これについては別の機会におはなしをします。

金融政策

(ここは勉強が苦手な方は飛ばして、政治的要因のところを読んでください。)
(勉強をして優良企業をさがしたい方は、企業業績のところを読んでください。)

・一般的には、「株価は企業業績を反映する」と考えがちですが、一番大きく影響を与えるのが金融政策です。
(主は「金融がわかると経済がわかる」と説かれています。)

・2018年の2月の株価の暴落は、アメリカの長期金利が急上昇したために起きました。
・年末の株価の暴落は、FRBが政策金利を上げたために起きました。
・1月7日に株価が上昇したのは、FRBが金融緩和に舵を切ることを示唆したからです。

・上に述べたように、経済サイクルは、不況になって、政府がお金を市場に供給するところから始まります。
・中央銀行は、金利を下げることによって市場にお金を供給しようとします。
(金利が下がると株価があがります。)
・これが金融政策です。

・逆に、株価が上がり、インフレ懸念がでてくると金利を引き上げます。
・これによって、株価は下がります。

企業業績と企業価値

個々の銘柄の株価は、当然、その会社の業績と価値によって決まってきます。

・株の世界では、業績の指標としてPER(株価収益率)というのがよく使われます。
(結論を先に言うと、PERは株価の指標としてはあてになりません。)
・PERとは、その会社の株価を1株当たりのその年の純利益で割ったものです。

・巷の経済アナリストは、「PERが13から15の間を動くので、13以下なら割安だ」と言いますが、これはセールストークであてになりません。
(難しくなるので、詳しい説明は省きます。PERの話をして株価の予想をする人間は基本的に勉強不足と思ってください。)

企業価値とは会社の純資産です。
・株の世界では、企業価値の指標としてPBRというのがよく使われます。
・PBRとは、その会社の株価を純資産で割ったものです。

・たとえば、株価の総額とその会社の純資産が同じであれば、PBR=1.0になります。
・これは、会社を今すぐ売り払ったとしても、株主には株価と同じ現金が返ってくるということです。
(つまり、PBRは会社が倒産しやすいか、しにくいかの指標にもなります。)

・ということで、これは不況のときには、大事な指標となります。
私が、暴落時に買おうと思っている株は、PBRが1.0以下の会社です。

政治的要因

今は、バブルが破裂しかかっていると推定されます。
・バブルの原因は、政府の過剰な財政投資と中央銀行の異常な金融緩和です。
(この世的な言葉を使えば、借金の返済の先延ばしです。)

・特に、中国は国ぐるみで借金隠しをしています。
日本政府と日銀も後先を考えない金融政策をとっています。
EUも制度的に、矛盾した経済政策をとることになっています。
(アメリカは昨年までは金融引き締めに向かっていましたが、今は、金融緩和を考え始めました。)

・今は、グローバル経済になっているので、不況が起きれば世界的な不況になると思います。

・残されている道は三つです。
① 不況を起こして、不良債権を処理する。
⓶ 不良債権を隠して大きくして、金融危機が起きる。
③ 経済を発展させる秘策がある。
(たとえば戦争経済などで一部の国が生き残る。)

・おそらく①か⓶です。

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