DHS232b 戦争の真実と中道からの発展②b 無我の将校、自我の将校

・前回は「真なる発展への道は『中道からの発展』である」というお話をしました。
・今回は、その続きです。

【無我の将校、自我の将校】

・仏教における「中道からの発展」で最も大切なのは「無我からの発展」です。

・しかし、無我の境地とは悟りの境地であり、かんたんに得られる境地ではありませんので、実践的に考えると「自我を強くしすぎない」ということになるかもしれません。

・「戦争と平和」では、このことがよく描かれています。

・「無我と自我」の対立は、司令本部のレベルでも、兵士のレベルでもあります。

・まず、司令本部のお話をします。

・ロシア軍の司令本部では、フランス軍がモスクワに入ったあとに、様々な将校がフランス軍を撃退するためのいろいろな作戦を考え、口にします。
・しかし、そのほとんどは戦場から遠く離れた将校が頭で考え出した作戦で、実践的には役に立たないものでした。

・しかも将校たちは、自分の優秀さを誇示したいためにそうした作戦を実践しない現場を責めました。

・こうした将校たちの自我がロシア軍の混乱のもとでした。

・一方、最高司令官のクトゥーゾフには、現場がよく見えていました。
(前線で指揮をとっていました。)
一番大切なのは忍耐であることがわかっていました。
(戦場にいる兵士たちとロシアの勝利のために、フランス軍の攻撃も、仲間の批判の言葉にも耐えました。)

・クトゥーゾフがフランス軍が弱るまでじっと我慢をして、フランス軍が窮地に追い込まれてから戦闘を開始して勝利を得ます。

・結論を言えば、クトゥーゾフには天上界からの指導が入っていたと言えます。

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