・この記事は、シリーズMS「奇跡物語」の記事です。
【フリーメーソンでの活動】
・フリーメーソンの組合員になった後、ピエールはフリーメーソンの目的を実現するために、農奴の解放をに向かいます。
・そして、貧しい農民のために病院や、学校を、宿泊所の建設にとりかかります。
・しかし、農地を預かる支配人たちは、面従腹背で、ピエールの試みは徒労に終わります。
(ピエール自身はそのことに気がつきません。)
・ピエールは、フリーメーソンの幹部になっていきますが、だんだん組合員の欺瞞に気がつくようになります。
・自分自身も、頭では自己浄化や自己匡正が大切なことはわかっていながら、耽溺と放縦の生活に流されるようになり、悩みのなかに入ります。
【天上界からの啓示】
・迷妄のなかにいるピエールを救ったのは、組合員Vの言葉です。
・「戦争と平和」では、次のように書かれています。
組合員Vと教訓的な長い会話を交換した。彼は余にむかって、組合員Aの説を遵奉するようにすすめた。余はまだその資格なき者成れど、多くの啓示を受けたような心持がする。アドーナイは世界を創造した人の名である。エロヒムは一切を支配する人の名である。第三の名は一切の意味を包含している名だが、口に発することができない。
フリーメーソンの神聖なる教えにおいては、すべてが唯一不可分であって、すべてが集合と生動のままで認識されるのだ。
・そして、このあとに夢で天上界から次のような啓示を受けるのです。
『いちばんむずかしいのは、人間の自由を神の掟にしたがわせることだ。』と、何かの声がこういった。・・・
いちばんむずかしいことは、心の中にすべてのものの意義を結合することだ、すべてを結合する?』とピエールは自問した。・・・
こういう思想を残らず繋ぐんだ。こいつが必要なんだ!
ピエールはこの言葉によって、まったくこの言葉のみによって、自分の言いたいと思うことが表現され、自分を苦しめている問題が全部解決されるのだと感じて、内心の歓喜を覚えながらこうくりかえした。
・悟りの世界ではこうした天上界からの啓示は終わりではなくスタートです。
・ピエールにも、このあと「火と水の試練」が待っているのです。