MS213b 智慧を高める方法

【智慧を高める方法】

・本節の前の方で「宇宙を貫く発展の法則は弁証法的発展である」というお話をしました。

・世の中のものはすべて、「対立するものがあるので存在が明らかになります」
(たとえば光だけの世界では光の存在を意識することはできませんが、闇があれば光の存在がわかります。)

・つまり、対立するものの存在を考えると、世の中がよく見えるようになってくるのです。

・「戦争と平和」の登場人物の数は559人だそうですが、トルストイは、様々なタイプの人間の心の動きとその対立(=人生の幸不幸)を描いています。

・たとえば、代表的な例としては主人公のピエールとアンドレイの存在があげられます。

ピエールは真理を探究する伯爵です。莫大な遺産を手にしながら、多くの困難・苦難に出会い、それをのり越えて悟りの境地に達っします。
(私の印象では、お釈迦様タイプの人間です。)

アンドレイは優秀な青年侯爵です。戦争で大きな傷をうけるが安らかに死んでいきます。
(私の印象では、ヘルメス様*タイプの人間です。)

*ヘルメス様:ギリシャ神話の神様、幸運と富を司る愛と発展の神様。旅人と商業の守護神とされている。

<ピエールとアンドレイの対立構造>
・ピエールは霊的な人間で、死刑直前まで行き、死の恐怖から脱することにより悟りを得ます。
・アンドレイはこの世的な人間で、死を覚悟することにより、執着から離れ悟りの境地に入れます。

・ピエールとアンドレイは、まったく逆の道から同じ悟りを得ます。
・現実社会においては、この違うタイプの人間が連携することができれば大きな仕事ができると思います。

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