④ 「始源の神エロヒムの教え」とはどんな教えか
【普遍の真理であるエロヒムの教え】
・プロローグでお話をしておきたいことの四つ目は、「世界宗教や哲学のもとにあるのはフリーメーソンの神であるエロヒムの教えである」ということです。
・「戦争と平和」では、「フリーメーソンを司っている神は『始源の神エロヒム』である」とされています。
・そして、主人公のピエールは、「神の掟に人間の自由意志をしたがわせることができたら、すべての問題は解決する」と考え、そこから悟りへの旅が始まります。
・すべての問題を解決する神の掟が存在するのであれば、それは「普遍の真理」ということになります。
・そして、実際に「戦争と平和」に書かれている内容には、キリスト教的側面と仏教的側面があります。
(私は、キリスト教も、仏教も、プラトンの哲学も、孔子の儒教も「普遍の真理」を説いていると考えています。)
・トルストイ自身は敬虔なクリスチャンですので「戦争と平和」のなかで説かれている思想がキリスト教にもとづいているものであることは明らかです。
・実際に「戦争と平和」では深い愛の思想が説かれています。
・また、主人公のピエールは、お釈迦様のように執着をすてることによって悟りの境地に達しています。
・さらに、「戦争と平和」で再三再四でてくる「自由意志」の概念は、ヘーゲル哲学の中心テーマでもあります。
(この点については、次回に詳しく紹介をします。)
・したがって、「フリーメーソンで伝えられている始源の神エロヒムの教えにしたがって世界はつくられている」と考えることは、それほどこっけいなことではないと考えられます。
・本論は、この人類の秘密を追究するための論考でもあります。