MS213c 「戦争と平和」に描かれている様々な対立

【戦争と平和に描かれている様々な対立】

・前回に引き続き、「戦争と平和」に描かれている対立する人間を紹介します。

◎ ナターシャとマリア

ナターシャ いろいろな愛の幸不幸を経験をして、無限の愛を与える女性になる。
(ピエールと絶対幸福の境地を共有できた人でピエールと結婚します。)

マリヤ 信心深い女性。
(心がきれいな人間の喜びと苦しみがよく表現されています。)

<ナターシャとマリヤの対立構造>
・ナターシャは現実世界に直面をして、無限の愛を手に入れます。
・マリアは信仰の世界に生きようとして、現実社会の問題で苦しみます。
(自分の幸福を考えると、悪魔を呼び込みそうになります。)

・その他、「戦争と平和」で書かれている人間同士の対立には以下のようなものがあります。

〇 自己犠牲で幸福になる人間と不幸になる人間
・マリヤは純粋な心で自己犠牲の精神を発揮して、最後は幸福な結婚をします。
・ソーニャは人の愛を得ようとして自己犠牲的な行動をし、不幸を呼び寄せます。

〇 上流社会のなかでの自我の対立
・上流社会では自分の体面を気に自我と自我の対立が混乱を生みます。

〇 自我の対立をおさえるピエール
・ロストフ家では、ピエールがいない間は自我の対立でみんなが不機嫌になりますが、ピエールが帰ってくると平和がおとずれます。

〇 愛の貴族と自我の使用人
・ピエールは善意から農奴の解放をすすめようとしますが、自己保存の気持ちからそれに反対する使用人は面従腹背の行動をします。
(これはピエールが悟る前のことです。悟った後は違った形で社会改革を進めようとします。)

〇 愛の地主と農奴
・マリヤは農民のためにすべてを与えようとしますが、自己保存にはしる農民たちはフランス軍の言うことを聞いて一揆をおこそうとします。
・それを解決するのは青年将校ニコライの勇気ある行動です。

・他にも、「軍部のなかでの対立」「兵士同士の対立」「軍部と現場の対立」「兵士と捕虜の対立」「光の天使と悪魔に憑依された人の対立」「光の天使と凡人の対立」などで、それぞれの人間模様を描いています。

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